一人ひとりを大切にするために、自分にできることを考えよう
2025年11月20日 19時19分4年生の道徳科「正しいと思ったことを行う」の授業を参観しました。
この授業では、いじめを扱った教材「勇気を出して」を使い、子どもたちが話し合い、考え合い、学びました。いじめに気付きながら、正しいと思っていることを行動に移すことができないでいる「ぼく」の心情、そして、その後いじめをなくそうと行動することができた「ほく」の心情を考えることで正しいことを行おうという態度を育てることにつなげられる教材です。本時の学習課題は「一人ひとりを大切にするために、自分にできることを考えよう。」です。
いじめは加害者と被害者がはっきりしています。それに加え、周りにはいじめに気付いていながら、なくそうとしない、なくそうとできない傍観者がいる場合があります。本教材でも多くの児童が傍観者として存在しました。いじめをなくそうと行動に移したいながらも、自分にいじめが跳ね返ってくることを恐れたり、人の目を気にしたり、一人では行動できなかったりと、いじめ解消に向けた行動に踏み込む勇気が足りないこともあります。
授業学級の児童は、いじめられている「のぶおさん」の心の痛みに共感し、傍観している「ぼく」の気持ちも考えながら、いじめる者の行為に注意しようと考える児童が多かったです。中には、「ぼく」と同じように、勇気をまだ持てていないことを示す児童もいました。それが本音であり、授業の場でその本音を示すことができるのはそれ自体が少し勇気のいることであり、出せる安心感もあったのだと思います。
いじめがいけないことはみんなが分かっています。大事なのは人を大切にすることです。
目の前のいじめはなくさなければなりません。誰にも、直接、あるいは間接にできることはあります。授業学級の児童は、友達や大人の応援が「ぼく」に勇気をくれ、それらがなければ、いじめ解消につながらなかったと捉えていました。
いじめをなくしたいという気持ち、なくすための行動。みんなが力を合わせて正しいことを行っていくことが大事です。何より、人を大切にした仲間づくりが日ごろからできていれば、いじめは生まれないと思います。
子どもたちからは、もしいじめがあったら
「最初は不安だったけど、今は言える。」という言葉が最後に出ていました。
教師は子どもたちに、「気付く力が必要。つらい思いをしている子がいないか、つらい思いをさせていないかアンテナを張っておくこと」と話しました。そして「子どもたちのいじめをなくそうとする力を支えられる先生でありたい」と、思いを伝えました。教師の、子ども一人一人を大切にした日ごろからの姿勢は、一人一人を大切に自分にできることを実行したいという子どもたちの気持ちと態度を押していきます。
午後は、6年生が「いじめSTOP!デイplus」に参加しました。
これは、愛媛県教育委員会が、子どもたちによるいじめ防止に向けた学校づくりを社会総ぐるみで推進するため平成25年度に開始し、令和3年度からは県内全ての小中学校をオンラインでつなぐ「県内一斉ライブ授業」として展開しています。
今年度のテーマは「私にできること」でした。
ここでも、「『気付く』が大事」はキーワードとなっていました。
いじめをなくす、そもそもいじめを生まないことは、わたしたちみんなが幸せに安心して生活するために必要です。人を大切にした心と行動を育てていきたいです。